呼吸器疾患の症状は様々あり、主に喉や肺に原因がある病気です。
気管支喘息、COPD、肺がん、呼吸器感染症などを含め、様々な病気が呼吸器疾患の中にはあります。
咳嗽とは、咳のことで、気道に炎症が起きていたり、痰を吐き出すとき等おこります。
咳嗽は続くと体力を消耗し日常生活に影響を及ぼします。
慢性咳嗽 | 8週間以上 |
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遷延性咳嗽 | 3週間以上8週間未満 |
急性咳嗽 | 3週間以内 |
咳嗽の原因はさまざまであり個々に診断、治療を行っていく必要があります。
慢性咳嗽には喘息が含まれていることがあり喘息の検査を行うことがあります。その他逆流性食道炎なども原因となります。
個々の原因により薬等選択し治療を行っていきます。
肺の病気が進行すると肺本来の働き、つまり大気中から酸素を体内に取り込み体内で産生した二酸化炭素を大気中へ放出することができなくなります。
その結果、血液中の酸素濃度が低下する低酸素血症や二酸化炭素濃度が増加する高炭酸ガス血症を生じてしまいます。
通常、動脈の中には、酸素分圧100mmHg程度の酸素が存在します。
酸素のほとんどは、赤血球という細胞の中にあるヘモグロビンに結合しています。
酸素分圧が60mmHg未満になるとこのヘモグロビンに結合することが難しくなるので十分に酸素を運ぶことができなくなります。
定義上、動脈血中の酸素分圧が60mmHg未満になることを呼吸不全といいます。
二酸化炭素の増加を伴わない場合をⅠ型呼吸不全、伴う場合をⅡ型呼吸不全と呼びます。
このような呼吸不全が1カ月以上続く状態を慢性呼吸不全といいます。
慢性呼吸不全を引き起こす肺の病気には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺結核後遺症、間質性肺炎、肺がんなどがあります。
酸素を正常化することが必要であり原疾患の治療、酸素療法、マスクによる人工呼吸器管理を行うことがあります。
喘息は、空気の通り道である気道(気管支など)に炎症がおき、空気の流れが制限される病気です。気道はいろいろな吸入刺激に過敏に反応して、発作的な咳、ゼーゼーと気管支がなる喘鳴、ときに、呼吸困難を生じます。この症状は、ときに自然に又は治療により改善しますが、治療の継続を怠ると繰り返し症状が現れます。
年に数回軽い喘息発作を起こすだけで、無症状でも気道では長い期間炎症が継続しています。適正な治療が行われないと、炎症とその修復が繰り返される過程で気道の壁が厚くなって空気の流れが元に戻らなくなり、気道の過敏性も増します。
このようになる前に、治療が必要です。
問診、採血、肺機能検査、呼気NO測定などをおこない評価を行います。
症状が持続すると改善しなくなるため、吸入薬を中心に使用し症状が出ないようにしていく必要があります。
吸入薬だけでは効果不十分の場合には内服薬を使用したり、モノクロナール抗体による注射薬を使用することがあります。
COPDは慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)のことで、別名、「タバコ肺」と呼ばれています。
長年の喫煙が原因で、気管支や肺に炎症が起き、その結果、気管支が狭くなったり、肺が壊れたりする病気です。
空気が気管支の中を往来することで、ヒトは呼吸をしています。COPDではその気管支に炎症が起き、ついには、狭くなってしまいます。咳(せき)や痰(たん)は気管支の炎症の症状です。気管支が狭くなると速く呼吸できなくなり、息切れや呼吸困難が生じます。
日本に500万人以上のCOPDの患者さんがいると考えられています。このうち、COPDの治療を受けている患者数はわずか23万人で、多くの患者さんが診断も治療もされない状態となっています。また、2021年の日本における死亡原因の調査では、COPDは男性で高く、第9位となってます。
タバコです。タバコを吸わない人はほとんどCOPDにはなりません。
COPDになりやすいかどうか(感受性と呼びます)には、大きな個人差があります。ですから、80歳でも元気なヘビースモーカーが居る一方、40歳台でCOPDを発病する人もいます。一般的には、総喫煙本数が多いほどCOPDになる確率が高く、
でCOPDを発病すると報告されています。
「体を動かした時の息切れ」が代表的な症状です。
病気が進行すると安静時にも息苦しくなりますが、当初は階段を昇るときなど、呼吸が速くなる時にだけ息が切れます。「長引く咳や痰」、「運動をした時や風邪を引いた時のヒューヒュー、ゼイゼイ」は、より早期のCOPDの症状です。
40歳以上のタバコを吸っている(吸っていた)人で
場合です。
COPDは肺がんの合併が非常に多い病気です。 骨粗鬆症や狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など肺以外の病気をしばしば合併します。
COPDの息切れは、息が上手にはけないため、肺に空気がたまることで起こります。
肺がパンパンにふくらんで、もうこれ以上息が吸えないので、苦しいのです。
ポイントは、息を吐く時は「口をすぼめる」、「時間は吸う時の2倍」にすることです。
歩行時は1歩ごとに、「吸う」「吐く」「吐く」、「吸う」「吐く」「吐く」のリズムで繰り返します。
COPDは速い動作がとても苦手な病気です。
「吸って、吐いて、吐いて」の呼吸に合わせて、あせらずに動作をしましょう。
マラソンと一緒、オーバーペースではゴールインできません。
一度呼吸が苦しくなると、回復には長い時間がかかります。
苦しくなる前に早めに休息をとりましょう
「腕を挙げる」、「息を止める」、「腹部を圧迫する」動作が苦手な場合が多いので、これらの動作を避ける工夫をしましょう。
例えば、
かぶるタイプの服よりも、前開きの服のほうが更衣が楽です。靴下は畳に座って履くのは苦しいので、椅子に座り足を組んで履きましょう
肩までお湯につかると、胸腹部が圧迫され息苦しくなります。半身浴が勧められます。湯船の中に椅子を入れて座るのも良い方法です。
体を洗うタオルは長いほうが背中を楽に洗えます。洗い場の椅子は高さ40cm位の高めの椅子を選びます。
洗面器を置く台があると便利です。
COPDの患者さんは痩せている方が非常に多いです。これは、安静にしていてもたくさんのエネルギーが呼吸運動に消費されるためです(普通の人よりも15~25%も高くなる)。
大きく膨らんだCOPDの肺が、胃袋を圧迫しています。そのため少し食べただけてもすぐにお腹がいっぱいになってしまいます。さらに、食事中の息切れや疲労が、食事量を減らします。カロリー・栄養不足は、筋肉の衰えを加速させ、病気の悪循環におちいります。やせの著しい人ほど寿命が短いことが分かっています。COPDの患者さんの一番の仕事は食べることなのです
高脂肪食では、下痢やお腹の不快感が起きやすくなります。一方、低脂肪食は、二酸化炭素の生産が増え、必須脂肪酸が不足しがちになります。筋肉の分解を防ぐため、肉や魚などの蛋白質もしっかり摂取しましょう。
息切れがしたり、すぐに満腹になるので、少しずつ回数を増やして食べましょう。アイスクリームやプリンなどは、食べやすくて脂質やたんぱく質が多く含まれるかっこうのおやつです。
サラダオイルやオリーブオイル、ごま油、マヨネーズ等を加えると、カロリーを増やせます。
人生の基本です。
いろんなことがCOPDの食事について言われていますが、これが何よりも大事だと思います。
スパイロメータという器具を使い、肺年齢が調べられます。鼻をクリップでつまみ、スパイロメータの先を口にくわえます。
精一杯、息を吸い込んだ状態から、できるだけ速くすべての息を一気に吐き出します。最初の1秒間に吐き出せた空気の量(1秒量と呼びます)をもとに、性別、身長から肺年齢は計算されます。肺年齢が実際の年齢よりも20歳以上高い時にはCOPDが疑われます。
検査時間 | 約10分 結果はただちに出ます。 |
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費用 |
900円(3割負担の場合)
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