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睡眠障害

睡眠障害とは、睡眠に何らかの問題がある状態のことです。
睡眠が障害されると日中の活動に支障をきたし心身の健康に影響します。
睡眠障害がある方は、適切な診断・治療をうけましょう。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が繰り返し中断する病気です。
眠気の原因となるばかりでなく、寿命をも短くするとても重要な病気です。
閉塞型と中枢型とがありますが、圧倒的多数は閉塞型です。

大きなイビキが特徴です

もちろん、大きなイビキをかく人全員がこの病気ではありません。
またほとんどイビキをかかないけれど睡眠時無呼吸症候群の人もいます(何らかの原因で呼吸する力が弱い人です)。
他に、肥満、高血圧、扁桃腺が大きい、あごが小さい方も要注意です。

睡眠時無呼吸症候群にかかっている人はとても多い

日本人成人の20人に1人位はこの病気と考えられています。
みなさんの知り合いの中の何人か、特にすぐに居眠りをしてしまうような人はこの病気の可能性があります。

主な症状は、

  • 息が詰まり、睡眠中に呼吸が10秒以上止まる
  • 眠気(運転中や会議、TVを見ている時等で居眠りをしてしまう)
  • 疲れがとれない
  • 寝相が悪い、夜尿症
  • 睡眠中にトイレに何度も起きる
  • 起床時に頭が重い、すっきりしない

などです。しかし、自覚症状に乏しい人もいるので注意が必要です。

放置すると、

自動車運転中に交通事故を起こしたり、仕事の効率が低下します。
高血圧症、狭心症や心筋梗塞、脳卒中の原因となり、寿命を短くすることが知られています。
じわじわと健康を蝕む病気ですので、早めの対応が必要です。

診断

“ポリソムノグラフィー”という検査を行います。

この検査では睡眠中の呼吸の様子や、血液中の酸素状態(酸素飽和度)を測定します。
入院して行う精密な検査と、自宅で行う簡単な検査とがあります。

治療

治療方法は主にCPAP、マウスピース、手術の3つがあります。
この中で、治療効果が最も確実であり、生命予後(寿命)の改善効果が証明されているCPAPが標準的な治療法となっています。

CPAPは、睡眠中に特殊なマスクを通して、気道に空気を送りこみ、閉塞する気道を空気圧で広げる治療法です。
肥満の人は減量しなければいけません
しかし、睡眠時無呼吸症候群の人の減量は、通常以上に困難です。
(慢性的な睡眠欠乏状態であるため、運動よりも睡眠を体が要求します)
ですから、まずは睡眠中の無呼吸を改善した後に、減量に取り組むのが正しい手順です。

睡眠時無呼吸症候群 (SAS) 診療の流れ

外来を受診
  1. カルテを作ります。必ず保険証を持参して下さい。
    もし現在飲んでいる薬があればお薬手帳を持参して下さい。
  2. 睡眠に関するアンケートに記入していただきます。
  3. 血圧や身長、体重を測定
  4. 診察
自宅で睡眠中の呼吸状態を記録

携帯型ポリソムノグラフィー検査器(スマートウォッチ)を貸し出します。
測定装置は複数台ありますので、おおむね即日で検査可能です。

Smart Watch PMP-300(パシフィックメディコ社製)

  • 世界最小・最軽量わずか80g!
  • 被検者自身が在宅で簡単に装着・操作できる構造
外来を再診

スマートウォッチの結果で今後の方針を相談して決めます。

(ア)AHI(無呼吸低呼吸指数)が40回/時間以上

重症の睡眠時無呼吸症候群で、放置すると寿命が短くなります。通常CPAP治療を行います。

(イ)AHI(無呼吸低呼吸指数)が40回/時間未満

自覚症状の程度や、心筋梗塞や脳血管障害、糖尿病、高脂血症、高血圧症などの合併症があるかどうか、低酸素血症の程度等を総合的に判断して治療方針を相談のうえ決めていきます。

治療方針

CPAP治療を選択 保険適応の問題もあり、入院して詳しい睡眠検査(フルポリソムノグラフィー)後にCPAP治療となります。検査日を予約いただきます。
口腔内装具
(マウスピース)を選択
歯科に紹介して作成していただきます。
その他 特別の治療はせずに経過をみることもあります。

こやぎ内科の睡眠時無呼吸症候群の診療

自宅で簡単に睡眠中の呼吸検査ができます

初診時に、携帯型ポリソムノグラフィー検査器を貸し出しますので、自宅で簡単に睡眠中の呼吸状態を検査できます。費用は3割負担で、初診料と合わせ3,800円程度です。重症の睡眠時無呼吸症候群(AHI:無呼吸低呼吸指数が40回/時間以上)の場合、入院してのポリソムノグラフィー検査は通常、省略してすぐにCPAP治療を開始します。

精密な入院睡眠呼吸検査(フルポリソムノグラフィー)もできます

携帯型の簡易ポリソムノグラフィー検査では、睡眠の良し悪しまでは分かりません。日中眠気の原因を調べるためには、脳波を記録するフルポリソムノグラフィー検査が必要になります。この検査はナルコレプシーやレム睡眠行動障害、むずむず脚症候群などの診断にも必要です。

CPAP治療は外来で開始。入院は不要です

CPAP治療の効果を確認するには、CPAPを装着して入院ポリソムノグラフィー検査をする必要があります。しかし、時間的・経済的負担を省くために、入院しないで外来でCPAP治療を開始しています。どうしてもCPAP治療がうまくいかない場合、日中眠気が取れない場合には、CPAPを装着してフルポリソムノグラフィー検査を入院して行っています。

いろんなメーカの器械から最適な1台を!

現在、当院では、フィリップス・レスピロニクス社(レムスターオートM、BiPAPオート)、レスメド社(オートセットC)、ピューリタン・ベネット社(GoodKnight 420シリーズ)のCPAPを取り扱っています。マスクやネーザルピローの取り揃えは群馬県内随一です。その中から最もフィットする機器をお選びします。もちろん、使用してみて、うまくいかない時には他社製品に変更可能です。

治療状況をパソコンで確認できます

外来受診時に、CPAP本体やデータカードから使用状況をダウンロードして確認します。その結果に基づき、より適切なCPAP圧に設定を調整しています。

豊富な経験

開院以来、CPAP治療に携わった人数は、群馬県内でトップクラスです。

こやぎ内科へ入院しての詳しい睡眠検査

現在、入院検査は休止しております。
検査ご希望の方には、携帯型ポルソムノグラフィー検査機(スマートウォッチ)により、
ご自宅での検査を行って頂いております。

特徴

  • バス・トイレ付の完全個室。
  • 個室料金が不要。(検査費用は3 割負担で15,000 円程度です)
  • 専門の臨床検査技師が夜間を通じ、睡眠状態を観察。
  • 入院は夜7時過ぎ、翌朝6時前の退院も可能。(仕事を休まずに検査を受けられます)
  • 少しだけなら飲酒も可能です。
  • 食事はご用意しておりません。
  • 敷地内禁煙です。
  • 階段が昇れないと、検査が困難です。
  • 検査を行っているのは現在、木曜と金曜の夜です。

検査を受けるには

一度外来を受診して下さい。検査の内容等を説明したのちに検査日程を予約致します。

検査費用

すべてに医療保険が適用されます。 3割負担で15,000円程度です。

入院に必要な持ち物

  • お財布(支払いは現金でお願いします)
  • 寝巻き、洗面道具

タイムテーブル

  1. 検査日の夜7時頃に来院、診察後、入院費用を前払い。
    検査開始までは自由時間。外出や入浴も可能です。
    飲酒も可能ですが、控え目に。
  2. 午後9時過ぎから順次電極を装着し、検査開始。
    検査中は寝返り等は自由、携帯電話も使えます。
    お手洗い等の際はコールボタンでスタッフをお呼びください。
  3. 翌朝6時で検査終了(6時前の終了も可能)。シャワー等で身支度を整え退院。
  4. 1週間以上空けて、外来受診。検査結果説明と今後の方針決定。

むずむず脚症候群
(下肢静止不能症候群、レストレスレッグス症候群)

脚がムズムズして動かさずにいられなくなる病気です。
夕方や夜寝る前、長い間じっとしている時にムズムズ感が強くなるのが特徴です。
下肢静止不能症候群、あるいは、レストレスレッグス症候群とも呼ばれます。

症状

両脚の奥から、何とも表現しがたい不快感が沸き起こり、「むずむずする」「虫が這っている」「かゆい」「ほてる」「かきむしりたい」など、いろんな表現がされます。

症状は、じっとしていて動けない状況で強く感じ、夕方や夜になると悪化します。
一方、動いたり、たたいたりすると症状は和らぐので、一晩中眠れずに歩き回ったり、足踏みをして過ごす人もいます。

診断

次の4項目のうち、3項目を満たせばむずむず脚症候群の疑い、4項目全て満たす時は診断確定とされます。

  1. 脚を動かしたいという強い欲求が不快な下肢の異常感覚に伴って、
    あるいは異常感覚が原因となって起こること。
  2. その異常感覚が、安静にして、静かに横になったり座ったりしている状態で始まること。
    あるいは増悪すること。
  3. その異常感覚は運動によって改善すること。
  4. その異常感覚が日中より夕方・夜間に増強すること。
検査
  1. 血液検査

    血清フェリチンを測定し、鉄欠乏状態でないかどうかを調べます。
    合わせて、慢性腎不全や糖尿病、関節リウマチ等の合併もチェックします。

  2. ポリソムノグラフィー検査

    不眠や日中眠気が強い時に検査します。
    むずむず脚症候群では睡眠中に手足を繰り返し動かします。
    睡眠時無呼吸症候群等の合併がないか確認します。

治療
  1. 薬によらない治療
    • むずむず脚症候群の原因となる薬の減量・中止
    • カフェインや飲酒、喫煙の制限
    • 規則的な睡眠
    • 温かいお風呂、シャワー、下肢のマッサージ、ストレッチ、ウォーキング
  2. 薬による治療
    • 鉄剤(フェリチンが低値の場合)
    • クロナゼパム(軽症の場合)
    • プラミペキソール(中等症以上の場合) など
    • ビ・シフロール( プラミペキソール)だけがむずむず脚症候群の保険適応があります。

診察時間

診療時間
9:00 - 12:00 ○第1・第3
15:30 - 19:30

【休診】[日曜 祝日 第2、4、5土曜]

  • 予約制ではありません。
  • 毎月来院時には、必ず保険証の提示をお願いいたします。

睡眠時無呼吸症候群のご相談で、初めて来院される方は、上記受付時間内に、先ずお電話でご連絡をお願いいたします。