睡眠障害とは、睡眠に何らかの問題がある状態のことです。
睡眠が障害されると日中の活動に支障をきたし心身の健康に影響します。
睡眠障害がある方は、適切な診断・治療をうけましょう。
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が繰り返し中断する病気です。
眠気の原因となるばかりでなく、寿命をも短くするとても重要な病気です。
閉塞型と中枢型とがありますが、圧倒的多数は閉塞型です。
もちろん、大きなイビキをかく人全員がこの病気ではありません。
またほとんどイビキをかかないけれど睡眠時無呼吸症候群の人もいます(何らかの原因で呼吸する力が弱い人です)。
他に、肥満、高血圧、扁桃腺が大きい、あごが小さい方も要注意です。
日本人成人の20人に1人位はこの病気と考えられています。
みなさんの知り合いの中の何人か、特にすぐに居眠りをしてしまうような人はこの病気の可能性があります。
などです。しかし、自覚症状に乏しい人もいるので注意が必要です。
自動車運転中に交通事故を起こしたり、仕事の効率が低下します。
高血圧症、狭心症や心筋梗塞、脳卒中の原因となり、寿命を短くすることが知られています。
じわじわと健康を蝕む病気ですので、早めの対応が必要です。
“ポリソムノグラフィー”という検査を行います。
この検査では睡眠中の呼吸の様子や、血液中の酸素状態(酸素飽和度)を測定します。
入院して行う精密な検査と、自宅で行う簡単な検査とがあります。
治療方法は主にCPAP、マウスピース、手術の3つがあります。
この中で、治療効果が最も確実であり、生命予後(寿命)の改善効果が証明されているCPAPが標準的な治療法となっています。
CPAPは、睡眠中に特殊なマスクを通して、気道に空気を送りこみ、閉塞する気道を空気圧で広げる治療法です。
肥満の人は減量しなければいけません
しかし、睡眠時無呼吸症候群の人の減量は、通常以上に困難です。
(慢性的な睡眠欠乏状態であるため、運動よりも睡眠を体が要求します)
ですから、まずは睡眠中の無呼吸を改善した後に、減量に取り組むのが正しい手順です。
携帯型ポリソムノグラフィー検査器(スマートウォッチ)を貸し出します。
測定装置は複数台ありますので、おおむね即日で検査可能です。
スマートウォッチの結果で今後の方針を相談して決めます。
重症の睡眠時無呼吸症候群で、放置すると寿命が短くなります。通常CPAP治療を行います。
自覚症状の程度や、心筋梗塞や脳血管障害、糖尿病、高脂血症、高血圧症などの合併症があるかどうか、低酸素血症の程度等を総合的に判断して治療方針を相談のうえ決めていきます。
CPAP治療を選択 | 保険適応の問題もあり、入院して詳しい睡眠検査(フルポリソムノグラフィー)後にCPAP治療となります。検査日を予約いただきます。 |
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口腔内装具 (マウスピース)を選択 |
歯科に紹介して作成していただきます。 |
その他 | 特別の治療はせずに経過をみることもあります。 |
初診時に、携帯型ポリソムノグラフィー検査器を貸し出しますので、自宅で簡単に睡眠中の呼吸状態を検査できます。費用は3割負担で、初診料と合わせ3,800円程度です。重症の睡眠時無呼吸症候群(AHI:無呼吸低呼吸指数が40回/時間以上)の場合、入院してのポリソムノグラフィー検査は通常、省略してすぐにCPAP治療を開始します。
携帯型の簡易ポリソムノグラフィー検査では、睡眠の良し悪しまでは分かりません。日中眠気の原因を調べるためには、脳波を記録するフルポリソムノグラフィー検査が必要になります。この検査はナルコレプシーやレム睡眠行動障害、むずむず脚症候群などの診断にも必要です。
CPAP治療の効果を確認するには、CPAPを装着して入院ポリソムノグラフィー検査をする必要があります。しかし、時間的・経済的負担を省くために、入院しないで外来でCPAP治療を開始しています。どうしてもCPAP治療がうまくいかない場合、日中眠気が取れない場合には、CPAPを装着してフルポリソムノグラフィー検査を入院して行っています。
現在、当院では、フィリップス・レスピロニクス社(レムスターオートM、BiPAPオート)、レスメド社(オートセットC)、ピューリタン・ベネット社(GoodKnight 420シリーズ)のCPAPを取り扱っています。マスクやネーザルピローの取り揃えは群馬県内随一です。その中から最もフィットする機器をお選びします。もちろん、使用してみて、うまくいかない時には他社製品に変更可能です。
外来受診時に、CPAP本体やデータカードから使用状況をダウンロードして確認します。その結果に基づき、より適切なCPAP圧に設定を調整しています。
開院以来、CPAP治療に携わった人数は、群馬県内でトップクラスです。
現在、入院検査は休止しております。
検査ご希望の方には、携帯型ポルソムノグラフィー検査機(スマートウォッチ)により、
ご自宅での検査を行って頂いております。
一度外来を受診して下さい。検査の内容等を説明したのちに検査日程を予約致します。
すべてに医療保険が適用されます。 3割負担で15,000円程度です。
脚がムズムズして動かさずにいられなくなる病気です。
夕方や夜寝る前、長い間じっとしている時にムズムズ感が強くなるのが特徴です。
下肢静止不能症候群、あるいは、レストレスレッグス症候群とも呼ばれます。
両脚の奥から、何とも表現しがたい不快感が沸き起こり、「むずむずする」「虫が這っている」「かゆい」「ほてる」「かきむしりたい」など、いろんな表現がされます。
症状は、じっとしていて動けない状況で強く感じ、夕方や夜になると悪化します。
一方、動いたり、たたいたりすると症状は和らぐので、一晩中眠れずに歩き回ったり、足踏みをして過ごす人もいます。
次の4項目のうち、3項目を満たせばむずむず脚症候群の疑い、4項目全て満たす時は診断確定とされます。
血清フェリチンを測定し、鉄欠乏状態でないかどうかを調べます。
合わせて、慢性腎不全や糖尿病、関節リウマチ等の合併もチェックします。
不眠や日中眠気が強い時に検査します。
むずむず脚症候群では睡眠中に手足を繰り返し動かします。
睡眠時無呼吸症候群等の合併がないか確認します。